オールオン4の寿命を伸ばすセルフケア
オールオン4は、長期間での使用が見込める最新のインプラント治療です。また人工歯ですので、当然ですが虫歯の心配はありません。患者の体への負担も小さく、費用も通常のインプラントより安く済みます。
良いことが多いオールオン4なのですが、患者自身が自宅で行うセルフケアを怠ると、オールオン4は想定していたよりも早く寿命が尽きてしまいます。
オールオン4の寿命を伸ばすには、歯医者の指示をしっかり守ってセルフケアを行ってください。
インプラントは生涯もつ、人工歯は10年程度
一般のインプラント治療では、上下の顎(あご)でそれぞれ8~10本のインプラントを埋めみます。
オールオン4のインプラントも、一度埋め込めば生涯もつとされています。
フルブリッジも10年ぐらいはもちます。ケア次第でももっと使用可能期間を伸ばすことも可能です。
ただしこうした製品寿命をまたとうするには、きちんとセルフケアが欠かせません。
では、セルフケアを怠るとどうなってしまうのでしょうか。
インプラント周囲炎が怖い
インプラント周囲炎は、インプラントを中心にして発生する歯周病のような症状です。
歯茎から血が出たり膿が漏れ出てきたりすることは、普通の歯の歯周病と同じです。
インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支えている顎の骨がなくなってしまい、インプラントが抜け落ちてしまいます。
普通の歯周病では骨がなくなるスピードは年0.1~0.2ミリ程度ですが、インプラント周囲炎では年1~2ミリというスピードで骨が欠けていくこともあります。
インプラント周囲炎の症状は、通常の歯周病の10倍の速さで進行するということです。
インプラント周囲炎を起こさないために、セルフケアを行いましょう。
オールオン4を入れた後の正しい清掃の仕方とは
基本は通常の口腔ケアと同様に、歯磨き粉と歯ブラシを使って歯垢を落とします。
まずは毎食後のブラッシングを忘れないようにしてください。
そしてオールオン4独自のセルフケア方法があり、そのポイントは次の4点です。
●歯ブラシは正しい形のものを選ぼう
●歯ブラシの毛の硬さは「ふつう」にする
●歯ブラシ以外の口腔ケア道具を使おう
●人工歯「フルブリッジ」と歯茎の間のケアも忘れずに
1つずつ見ていきましょう。
■歯ブラシは正しい形のものを選ぼう
歯ブラシの毛が付いている部分をヘッドと呼ぶのですが、ヘッドが大きすぎるものは避けたほうがいいでしょう。
ヘッドの横幅は、前歯2本分が目安です。
また毛先が極細にとがっているものではなく、ラウンドカットのものがおすすめです。
■歯ブラシの毛の硬さは「ふつう」にする
人工歯「フルブリッジ」を入れると、毛が硬い歯ブラシを使って強くブラッシングしたくなる方がいますが、良くありません。
それではフルブリッジが傷ついてしまいます。
また強すぎるブラッシングで歯茎を傷つけると、歯茎が縮まる現象を引き起こしインプラントが露出してしまうこともあります。
歯ブラシの毛の硬さは「ふつう」をおすすめします。
■歯ブラシ以外の口腔ケア道具を使おう
セルフケアは歯ブラシだけに頼るのではなく、歯間ブラシやフロスも活用しましょう。
歯間ブラシやフロスは、歯ブラシでは届かない部分にも届きますし、歯ブラシが落としきれなかった汚れも確実に除去できます。
特に注意したいのは、インプラントと歯茎の接点です。ここは隙間ができやすい場所です。歯間ブラシやフロスを使うときは、この部分を意識してください。
■人工歯「フルブリッジ」と歯茎の間のケアも忘れずに
そして人工歯「フルブリッジ」と歯茎の境目も汚れがたまりやすく、かつ、汚れを除去しにくい場所です。
歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスでも汚れを落としきれない場合、電動歯ブラシを使ってみてはいかがでしょうか。
そしてジェット水流洗口器もおすすめです。
ジェット水流染口器はあまり耳慣れない名称だと思いますが、文字通り、水をジェットのように噴き出して口の中を洗う器具のことです。
歯科クリニックで使っている器具の家庭用バージョンとお考えください。
ジェット水流染口器なら人工歯「フルブリッジ」と歯茎の境目に確実に届きますし、水しか使わないのでフルブリッジを傷つける心配もありません。
大きい人工歯を入れるのでよりセルフケアが重要
ただ、人工歯「フルブリッジ」は歯が連結した形状になっているため、大きな物体を口の中に装着することになります。
その分セルフケアの重要性が増す、と考えてください。
オールオン4の寿命を伸ばすために、歯医者や歯科衛生士の指導を受けて、正しいケアを心掛けてください。
迷ったら庄野歯科にすぐに尋ねましょう。