歯磨きしにくい!オールオン4のお手入れの仕方は?
上の歯すべて、または下の歯すべてをわずか4本のインプラントで人工歯にできるオールオン4は、1本1本インプラントにする方式より治療費が安いことから、選択する患者さんが増えています。
オールオン4は、治療が終わった後のメンテナンスがとても重要となります。
オールオン4には「インプラント周囲炎」という重大なリスクがあり、日ごろのお手入れによってこれを予防する必要があるからです。
ただ、それほど難しく考える必要はありません。通常の天然の歯のブラッシングに「+アルファ」を加えるだけです。
全部で5ステップありますので、庄野歯科と一緒に一つひとつ見ていきましょう。
ステップ1:ワンタントブラシを使う
通常の歯ブラシは幅1センチ、長さ3センチぐらいありますが、ワンタントブラシは幅も長さも5ミリぐらいしかありません。毛の高さは通常の歯ブラシと同じです。
ワンタントブラシは、局所を洗うことに優れた器具です。これを使って、オールオン4の人工歯1本1本を丁寧にブラッシングしましょう。
ワンタントブラシを使うと、すぐに「通常の歯ブラシでは届かないところまで届く」ことが実感できます。
人工歯と歯茎の間の歯垢も、ワンタントブラシでゆっくりしっかり取り除いてください。
歯磨き粉は一般のものでOKです。
ステップ2:通常の歯ブラシを使う
このときも、人工歯と歯茎の間を意識してください。
ワンタントブラシは、狙った場所の汚れを取るのは得意ですが、ワンタントブラシだけでオールオン4の全体に触れることは簡単ではありません。
そのため、全体的な洗浄には、通常の歯ブラシのほうが優れているのです。
ステップ3:歯間ブラシを使う
歯間ブラシは、ワンタントブラシよりも奥に届くので、よりしっかりと汚れや歯垢を取り除くことができます。
「歯間ブラシまでやるのはさすがに面倒」という方は、歯間ブラシだけは2日に1度や3日に1度に減らしても問題ありません。
ステップ4:デンタルリンスを使う
また、液体なので、ワンタントブラシや歯間ブラシが届かない場所にまで到達させることができる点もメリットの一つと言えるでしょう。
目標はインプラント周囲炎を起こさないこと
それは、インプラント周囲炎を発症させないためです。
インプラント周囲炎は、インプラントの周囲の歯茎が炎症を起こす症状です。
インプラント周囲炎が起きると、最初は歯茎が赤く腫れる程度ですが、次第にインプラントと歯茎の間に溝ができてきます。
それでも放置しておくと、溝が深くなり、細菌の巣になってしまいます。そして最終的には、細菌が顎の骨に達し、骨を溶かしてしまうのです。
顎の骨はインプラントの土台ですので、顎が弱ってしまうとインプラントが抜け落ちてしまいます。これは、天然の歯の歯周病とほとんど同じメカニズムです。
インプラント周囲炎は、歯垢や汚れの蓄積が主な原因とされています。そのため、オールオン4の治療を受けた人は、天然の歯のケアより丁寧なブラッシングが必要になるのです。
インプラント周囲炎は、歯ぎしりや食いしばりでも発症します。そのような癖がある人は、あらためて歯科医に相談したほうがいいでしょう。
また、ストレスは口の中の免疫力を弱めてしまいます。免疫力が弱ると、口の中の細菌が繁殖してしまい、炎症が起きやすくなります。その炎症がインプラントの近くで起きれば、インプラント周囲炎になってしまうわけです。
そこで過度なストレスを受けている自覚がある方は、オールオン4のメンテナンスの意味でも、ストレス解消を心掛けてください。
ステップ5:歯科クリニックのケアを使う
歯科クリニックで受けられるオールオン4のケアは、やはりレベルが違います。特殊な器具を使って、徹底的に汚れを落としてくれるからです。
また、ケアを受けながら、自宅ケアの注意点も指導してもらえます。自宅ケアはどうしても自己流になってしまいますので、それを修正する意味でも定期的に歯科クリニックに行きましょう。
オールオン4のケアのための通院の頻度は、治療後1年間は3~4カ月に一度程度が理想です。ただ、2年目以降は1年に1回で大丈夫でしょう。
毎食後、間食の後もしっかりお手入れを
その場合、昼は簡単に済ませても、夜にしっかり磨きましょう。夕食後に歯磨きした後、深夜まで起きていた場合、寝る前にもう1回ブラッシングすることをおすすめします。
また、間食後も忘れずにブラッシングするようにしましょう。